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ときめきトゥナイト(池野恋) レビュー

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りぼんを支え続けた金字塔

「ときめきトゥナイト」は80~90年代のりぼんを支えていた長寿作品で、りぼん&集英社の全盛期を象徴する作品です。第一部~第三部と全30巻にも渡って連載が続き、主人公江藤一家の成長を見守るアットホームな恋愛漫画となっています。

特に第一部世代にとっては「はじめて読んだ少女漫画」「真壁くんは初恋の人」という声も多く、今でもこの作品に特別な思い入れを持つ人も多いカリスマ的な漫画でもあります。特にヒーロー「真壁くん」の存在は大きく、ある歳以上の女性には圧倒的な人気を誇っています。硬派でシャイ、でもそのぶっきらぼうな優しさがたまらない。永遠の王子様真壁くんは、古き良き少女漫画ヒーローなのです。


魔界から来たモンスター少女の傑作ラブコメ

本作は完全なファンタジー漫画。コメディ要素が強めで昭和風ギャグも満載です。

主人公江藤蘭世は、吸血鬼と狼女の間に生まれた魔界人。家族で人間界にやってきて、同級生の人間の真壁くんに恋をする。
噛みつくとその相手(物)に変身できるという魔界人の能力を生かして、つれない真壁くんとなんとかお近づきになろうとするが。

蘭世の変身能力の面白さとかファンタジーラブコメの傑作だとかいろいろ理由がありますが、本作がカリスマ的人気になった要素のひとつは主人公蘭世の「片思い」が新鮮で衝撃的だったから。連載開始第一話から真壁くん好き好き大好き言っている蘭世、その明るい恋愛の姿勢は非常に好感度が高かった。

蘭世の片思いは、素直で純真。一歩間違えると、ストーカー。
元々少女漫画の片思いには一種の尊さが存在しますが、蘭世の恋にも一点の曇りもない強さがあった。同時期にジャンプでドラゴンボールが「おらもっと強くなりてえ」と言っていたのと同じシンプルさで蘭世は「真壁くんが好き」という台詞を言ってのけていたのです。

蘭世は魔界人という立場と使命がありながら、この単純で唯一の感情を原動力にずっと真壁くんを守り抜いていきます。
もっとも象徴的なのが、江藤一家に魔界の王から王子探しの命が下った時。魔界の王子が人間界に紛れ込んでいる。見つけ次第その子は死ななければいけない。第一部の中でも一番の盛り上がりを見せるエピソードで、それまでラブコメ調だったストーリーは急展開を見せます。

今まで人間だと思っていた真壁くんこそが、実は魔界の王子だった。
そしてなんと真壁くんは、生まれ変わりで高校生から赤ん坊に戻ってしまう。
真壁くんの命を狙う連中から赤ん坊の真壁くんを守るため、蘭世は王に対する反逆者となり真壁くんを連れて逃亡生活を送ることになります。

「好きな男の子供を産みたい」

愛する人の遺伝子を持つ子供をこの手で育てる。これって女のエゴかもしれないが、本能に直結した願いではないでしょうか。
蘭世の場合はそれを超えて、むしろ好きな人本人を赤ん坊から育て上げることになる。これはもう女の願望の、究極の形。

いつも頼もしかった彼が、今は自分の腕の中にいる。愛する彼を守れるのは自分しかいない。少女の恋と大人の女の母性が入り混じった、少女漫画界でも屈指の名エピソードです。ぜひご一読あれ。


脇役たちも個性豊かでみんな愛おしい。
たくさんの登場人物達と繰り広げる、魔界人と人間のラブコメディ。ときめきトゥナイトの世界は遠いどこかで永遠に続いているかのような、そんな親しみを思わせる作品です。

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